アフターコロナ時代 知っておきたい新しい社会【手に取るべき本】
今日は2012年の本を紹介します。
8年前の本が全く古臭くなく、これからの社会にも必要な考えでしたので是非お読みください。
『評価と贈与の経済学』の概要
タイトル:評価と贈与の経済学
作 者:内田樹 岡田斗司夫FREEex
出版社:株式会社のぞみ
ジャンルは違えども大好きな『知の巨人』と言われている内田樹先生と岡田斗司夫さんの対談本『評価と贈与の経済学』です。
私の大好きなお二人がお話ししていますが、8年前にこの話をしているなんて知らなくて驚いてしまいました。
この本はざっくりこんな内容です。
- 今はやりのオンラインサロンって?
- 新しい経済のありかたとは?
- アフターコロナの世界はこうであれ
まったく古くなく、かつこれからのアフターコロナの時代になるであろうという社会構造をとても楽しい対談形式でお話しして下さっています。
恥ずかしながら、2012年の私であればまったくわからなかった内容でしょうし、大好きなお二人の対談でも手に取らない本だと思います。
というくらい、今の状況に知っておいて損のないピッタリの本であるといえます。
アフターコロナに備えたいという方、もしくは今社会が変わりつつある事がまだ理解できない私と同世代のアラフィフの皆さんには最適です。
①今はやりのオンラインサロンって?
この作品の中で、現在のオンラインサロンのベースになる考え方をお二人が語っています。
『拡張型家族』という表現をしています。岡田斗司夫さんの会社のFREEexというのは以前紹介した、堀江貴文氏との対談にもあるように、【社員から1万円徴収して仕事をさせる】という現在のオンラインサロンのベースとなる概念を実践しています。
今では月額会費を払ってコミュニティに参加して、主催者のリソースを共有し、仲間とのつながりの中で自身の収入を増やしていくことは当たり前となっています。
まだ一部の方々からは『オンラインサロン=宗教』のような見方をしている方々もいると思います。
特にホリエモンに代表するエッジのきいたネットビジネスマンにまだ弱い私の世代(実年齢はこちらに近いが数年以上遅れている!)、まだネットリテラシーの低い世代はどうぞご安心ください。
大学教授の先生とオタクかもしれませんがビジネスマンが、すでに20年近く前にこの概念をかたり実際おふたりはその概念のもと『FREEex』(会社)『凱風館』(合気道)を運営しています。
その確かな先見性と、実行力には改めて驚くばかりでした。
②新しい経済のありかたとは?
こちらについては【評価経済と贈与経済】という言い方をしています。
評価経済とは、紙幣をともなう資本主義経済から信頼を得る時代である、という事ですね。
どこかで、聞きませんか?そう、キングコングの西野さんやホリエモンも良く言っています。モノではなく信頼を売れ、お金というのは信用である・・・など。
サロンメンバーはオーナーの信頼を買う、そして贈与経済としてオーナーのリソースと仲間を活用する。
また、岡田斗司夫の会社に在籍してホリエモンがこのシステムを活用して現在のオンラインサロンを作ったのは有名な話です。
この時期のお二人はどれだけ富あるものが、収入のない者に食べさせられるかという考え方(ベーシックインカム)を日本のかつてあった『パトロン、書生や女中』という例を引き合いに説明をしています。
とてもわかりやすく、説明されていてこれについてもうならされるばかりでした。
また概念としてすでに富の再分配、ベーシックインカムの話をすでにお二人は話しています。
面白いもので、武道とオタクビジネス。
対極にいるような二人が同じ考えを持ち実践されている、しかも新しい概念ではあるが、私たち世代のものが納得感ある言葉で説明してくださっています。
③アフターコロナの世界はこうであれ
10年近く前の本をなぜ手に取ったか。
STAY HOMEのサービスとしてAmazon Kindle Unlimitedの読み放題に4月11日からこの本が登場したこともありますが、やはり今手に取る理由があります。
この本には、オンラインサロンとベーシックインカムこの二つ今ではよく知られている具体的にこれから社会が進むべき方向が解りやすく、まさに今導入をしていく非常によいタイミングに描かれています。
この本のまえがきで、岡田斗司夫が『ファンの内田樹先生に直接お話を聞く機会を得て大はしゃぎで話を聞く』という内容だと本人は仰っています。
ところが、あとがきでは内田樹先生が『ふたりとも同じ時期に同じようなことを考えていて心づよく感じた』とおっしゃています。
時期は2011年で出版の1年前の出来事です。この本が発売されたときはまだ少数意見でした。
9年後の今、その時代は来ているようでまだ浸透していません。
人は変化を嫌います。
この新型コロナウィルスによる社会変化を余儀なくされる、というタイミングのよいフックで新しい社会へ移行する良いチャンスだと思っています。
安倍政権が給付金を出す出さない(当初はお食事券でしたっけ・・・)の議論が出ていた際に私はベーシックインカムの導入テストの良いチャンスを逃すんじゃねーぞ!と思っていたものです。私が政治家なら進言しますね、来るべき社会のテストしましょうよと。
また、今回の件でイベント中止やオンラインなどに切り替えられたサービスは価格設定をドネーション制などにして、自分で選択して価格を決めて支払う、新しいチャレンジをする場面がふえてきました。
こんなところでも贈与経済が身近にせまってきている時代に、手に取る必然があったという事です。
是非、皆さん新しい知識の補充だけでも楽しいのですが、ここで一歩行動に結びつけられるタイミングでの出会いを大切に、是非1つでも良いのでなにかに参加してみてはいかがでしょうか。
『知の巨人』内田 樹と岡田斗司夫
内田 樹とは
1950年生まれ 神戸女学院大学名誉教授 日本のフランス文学者 武道家
元祖人気ブロガー『内田樹の研究室』からの著作『街場の〇〇論』シリーズや『日本辺境論』などの多くの著作で知られる。
フランスの哲学者エマニュエル・レヴィナスの著作の翻訳を手掛けるほど師事している、現代フランス現代思想が専門でありながら『街場』におりてきてくださる、わかりやすい文脈で私たち武道論やユダヤ教、フェミニズム、教育、戦争、文学、アートやジャズなど多くの分野において活発に発言をしている。
岡田斗司夫とは
1958年生まれ Youtuber、プロデューサー、評論家、実業家、自称『オタキング』
日本のアニメおよびオタク文化の発信、発展に貢献。大学で『マルチメディア概論』や『アニメ文化論』などの講義を受け持つ。
自身の30kgのダイエットに成功した記録『レコーディング・ダイエット』について出版しベストセラー作家となる。
作家、評論家としての岡田斗司夫のコンテンツをフリー化し、無料で世の中に広めることを主な目的としている会社を設立、新しい会社仕組みにチャレンジし従業員は毎月1万円支払って務める形態を実施、現在のオンラインサロンの原型となるものを社会に提示している。
自身のYouTubeではアニメ論を、英語吹き替えでも配信している。
この私自身が大好きな2人の著作が面白くないわけがない!
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