【要約・書評】リベラルアーツの学び方 リベラルアーツは最も有効な投資

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最近ビジネスシーンでもよくきく「リベラルアーツ」って、実際なんだろう・・・

今日は「リベラルアーツ」についての学び方の本をご紹介します。

 

個の力が問われる時代に、リベラルアーツを学んで人生を豊かにしましょう。

 

 【要約・書評】リベラルアーツの学び方 リベラルアーツは最も有効な投資

リベラル・アーツ(英: liberal arts)とは、

ギリシャ・ローマ時代に理念的な源流を持ち、ヨーロッパの大学制度において中世以降、19世紀後半や20世紀まで、「人が持つ必要がある技芸(実践的な知識・学問)の基本」と見なされた自由七科のことである。

具体的には文法学・修辞学・論理学の3学(英:trivium)、および算術(数論)・幾何(幾何学、図形の学問)・天文学・音楽の4科(英:quadrivium)のこと。

現代では、「学士課程において、人文科学・社会科学・自然科学の基礎分野 (disciplines) を横断的に教育する科目群・教育プログラム」に与えられた名称である。※ウィキペディア

 

「リベラルアーツの学び方」基本情報

 

タイトル:リベラルアーツの学び方

著 者:瀬木比呂志

出版社:株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン

発行日:2015年5月30日

若手、中堅ビジネスマンや、学生、一般人の方にも広く、著者の考えるリベラルアーツの全領域についての紹介といかに学ぶかについて書かれています。

 

また、ページレイアウトも工夫されていて、要点を下段部分に記して下さり、常に重要なポイントがもれない構成になっています。

著者 瀬木比呂志さんとは

東京大学在学中に司法試験に合格。裁判官として東京地裁や最高裁に勤務

アメリカ留学、研究、執筆活動を並行して行い、明治大学法科大学院専任教授へ転身

著作に「絶望の裁判所」「ニッポンの裁判官」他の専門分野のほかに、多数の一般書・専門書「内的転向論」「心を求めて」「映画館の妖精」「対話としての読書」があり、文学、音楽、映画、漫画については専門分野に準じて詳しい。

団塊の世代の方です。

 

「リベラルアーツの学び方」の要約

リベラルアーツとは、人の精神を自由にする幅広い基礎知識教養です。

それを以下の3つ章から紹介しています。

第1部 なぜリベラルアーツを学ぶ必要があるのか

第2部 リベラルアーツを身につけるための基本的な方法と戦略

第3部 実践リベラルアーツ

2015年の著作ですが、ウィズコロナの時代そして副業の時代とされている今にも当てはまるリベラルアーツを学ぶ必要性が述べられています。

 

【なぜリベラルアーツを学ぶ必要があるのか】

リベラルアーツを学ぶ意味と効果を8点解説しています。

その中で重要だと思った3点を紹介します。

  1. 日本的な特徴である村社会=「タコツボ」から抜け出し、知識だけではなく横断的な教養として活用することができるようになる
  2. 自分の課題を設定する能力が身につく
  3. 有効な投資であり、仕事の質や生き方が新化する

 

1,2はまさに組織の在り方や、戦略のグローバル化が加速している今の世の中にはビジネスマンには欠かせないスキルのことです。

3に至っては、著者ご本人がまさにリベラルアーツを学んだことにより、裁判官から、教授そして著作を生み出すという仕事に横断的に移動している事実から、具体的に述べられています。

 

【リベラルアーツを身につけるための基本的な方法と戦略】

こちらは基本的な方法論と実践のためのスキルとヒントが記されています。

学ぶにあたって基本的な方法論が6点挙げられています。

その中で、最も興味をひかれたのは、『作品と対話し、生き生きとしたコミュニケーションを図る』この「対話」する部分が、単なる知識を受け身で身につけることとは違うのだと実感します。

 

実践のためのスキルとヒントは5点あげられています。

そして情報収集と情報処理についてはメディア特性に応じたインプット方法とストック法、アウトプットなど総合的に記載されています。

 

【実践リベラルアーツ】

こちらは具体的にリスト化されています。

しかも390ページ中の7割近い261ページに割いて紹介されています。

 

生物学: 学者5名、8著作

脳神経学: 学者8名、11著作

精神医学: 学者6名、13著作

自然科学: 16学説

社会人文科学: 学者10名、20著作

文化人類学: 14学説

宗教学: 5学説

批評: 批評家7名、 8著作

ノンフィクション: ・アメリカ 5作品 ・日米関係 3作品 ・アメリカ社会 5作品

          ・アメリカ経済 2作品 ・アメリカ司法 2作品

戦争:6著者、 7伝記

戦争全般: 5作品

音楽評論: 6作品

映画評論: 8作品

アメリカ映画: 2作品、 2評論

日本映画: 8監督、 30作品

音楽:偉大なロックミュージシャン 2名

50年代: 3アーティスト、3作品

60年代: 12アーティスト、12作品

70年代: 22アーティスト、22作品

80年代: 6アーティスト、6作品

90年代: 6アーティスト、6作品

2,000年代: 6アーティスト、6作品

Jazz: マイルス・デイビス その他3作品

クラシック: 2作曲家 

マンガ作家: 8名、36作品

近代マンガ: 33作品

この物量を紹介しています。

音楽好きの私には、クラシックやソウル、ジャズなどが少ないしブラックミュージックの音楽史もアメリカの歴史と並行して楽しめるのでは、といささか不満でしたが、これも著者の個性が垣間見えますね。

 

マンガを全く知らない、個人的にはこれから学ぶ人間として、このリストが一番ありがたかったです。

 

リベラルアーツの学び方 書評

2015年の作品ですが、まったく古くない。

まさに今手に取る価値がある本でした。

 

教養は社会人こそ学ぼう

本来、リベラルアーツはヨーロッパやアメリカでは大学で学ぶ学問だそうです。

近年注目されている「リベラルアーツ」は大学における基本科目という趣旨よりも、そのもともとの意味、すなわち「人の精神を自由にする幅広い基礎的学問・教養」という趣旨で、とりわけ、その横断的な共通性、つながりを重視する含みをもって用いられる言葉といってよいでしょう。

「リベラルアーツの学び方」より

 

教養と言えば、学者のものでビジネスマンには無用の活用できない無駄な知識だと思われているが、この本を読むと全く違います。

日本社会の特徴というのは、職人気質で実務家が多く型にはまりがちです。

 

職人気質がゆえに顧客の声を聞き、使いやすくする改善がなかなかおこなわれずにガラパゴス的進化になりやすい。

また、ムラ社会にもなりやすく、組織も分断されていて組織的な改善スピードも遅い官僚的な組織もまだ多いのではないでしょうか。

 

リベラルアーツを学ぶことで全ての分野にまたがり横断的な共通性を知ることが、「考える方法」や「感じる方法」の蓄積になり、自分自身で全く別の分野同士を結びつけることによって、新たな仕事や企画にチャレンジできるようになります。

 

これって今のビジネスマンに必要なスキルではないか?

また、リベラルアーツをみにつけることで自身の課題を設定する力、考える力がつく。と。

 

リベラルアーツを身につけることで、組織で活躍する人間にもなれるし、また組織を横断して副業で活躍できる人間にもなれるではないか!

 

ビジネスマンは、フレームワークだけでなく教養も身につけるべきだと実感しました。

 

「リベラルアーツの学び方」まとめ

今こそ、勉強したい!と実感している時はないのではなかろうか。

 

実は、学生時代スポ根で過ごしていた反動で、20代の前半は映画、音楽、読書の世界にひたっていたのでリストを観て心が躍りました。

 

リストの中で興味あるものから一つずつ、制覇していく予定です。

 

若いころ、単に好きだったものをこの本を読んだことで、一段高いレベルでもう一度体系的にとらえられるのではと思うとワクワクします。

この本で良く使われる表現「パースペクティブ」=捉え方、視点も変わった今、また新しい気づきのもとに学びが深まると考えられます。

 

バーテンダー時代に会員制のバーに勤めていました。

お客様に商社の方が多く、海外駐在員経験豊富なお客様から、外国人ビジネスマンと付き合う際の教養の大切さを語っていたことを思い出されました。

 

著者もアメリカ留学での経験を同じように記しています。

 

世代は変わりつつあるも、SNSの時代ガラパゴス化も分断もしている場合でもないこの時代には、まさにリベラルアーツを学ぶことで人生を豊かにすることができると確信できる1冊です。

 

是非、「リベラルアーツの学び方」を学んで、物ごとの本質をとらえて、横断的共通性をとらえる力を身につけ「心ある知性」「感性の裏付けのある生きた知性」を身につけたいですね。

 

私はまず、いまだ読みきれていない「新約聖書」から読んでいきますね!

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