OMOとは「お客様目線」いま知っておきたいマーケティング用語

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OMOってなんだかわかりますか?

ホテル業界だった私は「星野リゾート」の一ブランドであるOMOホテルを思い出しました。

 

新しい時代のマーケティング概念であるOMOについてご紹介します。

 

 OMOとは「お客様目線」いま知っておきたいマーケティング用語

OMOとは 「お客様目線」いま知っておきたいマーケティング用語

会社員時代は販売戦略はマーケティング部署にお任せしていた私も、今や他人事ではなくマーケティングを学びだしました。

 

デジタル用語で難しいのでは!と感じてしまうかもしれませんが、「お客様目線」のサービスマンだった私も理解できます。

 

これからの時代のマーケティング概念として、OMOは2017年から提唱されるようになりました。

 

OMOとは

OMOとはOnline Mergas with Offlineの略です。

日本語で訳すとオンラインとオフラインの融合です。

 

OMOとは元中国GoogleのCEO李開復(リ・カイフ)が提唱した言葉で、2017年12月に、ザ・エコノミスト誌にて広く発表されました。

 

以前までは、オンラインとオフラインの体験は別物だとされていました。

 

しかし、このようにオンラインが普及拡大し、デジタルネイチャーと呼ばれる世代が消費活動を始めている現在には常識が変わってきています。

 

お客様が商品を買う、体験をする際に、オンライン、オフラインの区別をすることはもうないよね。

 

というシンプルな問いから始まった考え方です。

 

OMO以前の考え方

OMO以前には2つの代表的なマーケティング手法がありました。

 

O2Oとは

O2Oとは Online to Offlineといい、オンラインを起点にオフラインへお客様を誘導する手法のマーケティング戦略のことでした。

 

皆さんも良く利用してもうすでになじんだ手法です。

 

オンラインで、買い物をして店舗で使えるクーポンをもらい店舗へ行く、またはアプリをりようしプッシュ通知などでセールなどの案内を頂いて、実店舗へ誘導するような方法です。

 

オムニチャンネル

オムニチャンネルとは、店舗、Webサイト、カタログやコールセンターなどのあらゆる販売・流通手法を一元管理することで顧客との接点を持つ販売戦略です。

 

顧客情報や在庫情報の管理がポイントとなっています。

どのようなチャネル(流通経路)から購入が可能になっているというメリットがありました。

 

 

さまざまな技術革新によってオンラインとオフラインのボーダーは徐々に曖昧になっています。

ビジネスの基盤はオフラインにありオンラインは付属しているに過ぎないという考え方も過去のものになりつつあります。

 

よって、オフラインをベースとしてビジネスを組み立てることは時代遅れになってきており、今後はオンラインを起点としてオンラインとオフラインを融合させる「OMO」という観点が重要になってきています。

 

OMOの代表的な事例

OMOとは 「お客様目線」いま知っておきたいマーケティング用語

オフラインが起点であり、オンラインは付属という考えはいわゆる企業目線。

すでに顧客体験はどちらが先でも構わない、融合していて当然となっています。

 

代表的な実例をご紹介します。

 

小売業の実例 Amazon GO

皆さんご存知世界的大手通販サイトであるアマゾンが、アメリカに設置した無人レジのコンビニ、Amazon Goの事例です。

 

こちらの店舗は事前にスマホ認証させて入店します。

商品を手に取ったり、戻したりする動作を多くのカメラで認識して感知し、アプリに計上。

退店ゲートを通ると決済されている仕組みです。

 

私はもちろん言っていませんが、レポートやYouTube動画などで万引きができるかなどの検証があがっていて有名ですね。

 

このスピーディーでストレスフリーなショッピング体験ができるシステムは、OMOによる概念、オンラインとオフラインの絶妙な融合です。

 

スーパーマーケットの事例 アリババ

モバイル化が日本より進んでいる中国。

しかも提言者が中国人だけあって、多くの中国企業がOMOの実情をけん引しています。

 

アジア圏最大手の中国企業アリババが運営するスーパーには、オンラインビジネスを先進的に進めるこの企業ならではのさまざまな工夫がなされています。

アリババ系列のスーパーのアプリで買い物をすると、食材が配送されてくる過程が見られたり、店舗で販売している食材を使用したレシピの提案や必要な商品のまとめ購入を行えたり、さらに便利なサービスを利用することができます。

顧客はオフライン・オンライン双方を活用しながら、便利な環境でショッピングを楽しめるということです。

モバイルペイメントを利用したスムーズな支払いや、一定範囲内への配達サービスなどが、さらに顧客の満足度をアップさせています。

 

保険会社のOMO活用

日本ではソフトバンク・ビジョン・ファンドが投資しているとして有名な、中国の大手保険会社の平安保険の事例です。

OMOを取り入れ顧客満足度と自社双方の質を高めていると有名な施策です。

 

アプリで地域において質の高い医療を提供する医療機関を調べ、予約などまで行える施策です。

医療機関の質のバラつあきが激しい中国において、大きな話題を呼びました

 

驚くべきことは、このアプリは平安保険の顧客でなくても利用できるところが大きな特徴です。

 

アプリではポイントを使用することで、医師とチャットで相談や質問などをすることができますが、ポイントを貯める方法がウォーキング!なので、特別な条件や課金は必要ありません。

 

このような、自社の顧客であるか否かに関わらない幅広いサービスが、結果平安保険の名を高める窓口として最大限機能しています。

平安保険の認知はさらに広がり、顧客は信頼を寄せ、ほかの商品にも興味を持ち始めるでしょう。

 

平安保険はアプリで得た利用者の情報を元に効果的な販売促進を行えるので、相互にメリットを享受しているという結果になります。

 

このような事例を見ていると、中国でモバイルの進化は不便、安全でないというところが日本と大きな違いだということが明確にわかります。

モバイル決済も、釣銭間違いや、強盗、偽札が横行している為に発達したといわれています。

 

日頃の「不自由」「不便」「不安」がサービスの進化とテクノロジーの進化に繋がっているのですね。

 

日本でのOMO事例

では、商品、接客の品質も高くて何不自由ない日本ではOMOの仕組みは不要なのでしょうか。

 

アパレルショップBEAMSの成功事例

有名セレクトショップのBEAMSがいち早くOMOの概念を取り入れて成功しています。

 

以前は店舗にいらっしゃる顧客データとECショップのデータは別管理でした。

すべて一元管理を行ったことで、オンライン、オフラインの区別なく利用履歴や興味の把握が可能となり個別のコミュニケーションが行いやすくなりました。

顧客にとっては、オフライン店舗で質感を確認してオンラインで在庫確認し取り寄せたり、逆にオンライン確認後店舗購入するなどの選択肢が増えて柔軟な購入体験が手に入るようになりました。

 

OMOに期待すること

OMOを実現するためには、オンラインとオフラインのデータを融合し、そしてそのデータを活用して顧客体験(UX)を向上させるという、思想が必須になります。

 

オンラインとオフラインの区別をなくすことで、実例から見るとストレスフリーで柔軟性の高く、選択肢の増える体験が楽しめるという期待ができます。

 

また、スマホだけで行動ができる行動のシンプルさにも期待ができます。

 

しかし、大量の個人データを活用することが前提なので取り扱いや安全性などにはまだ配慮や課題があるのでしょう。

 

日本は「モノづくり大国」と言われるだけあって、職人気質な企業目線の商品提供がまだ強く根付いています。

 

OMOを活用することで、オンラインとオフラインの垣根を取り払い、「お客様目線」のおもてなし体験を提供することが、これから必要とされる時代なので、活用は拡がるでしょう。

 

マーケティング専門用語なので難しいと思っていませんか?

「お客様目線で、顧客体験の最大化」

と定義すると私のようなサービスマンでも理解ができ、ワクワクする未来を想像できます。

日本はまだキャッシュレス決済が進んだばかりですが、OMOを活用したサービス体験が拡がることを期待しています。

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