夏になると大音量で聞きたくなる音楽ってありますよね。
Jazzの名曲で文字通り『Summertime』という曲があるんです。
夏に外せない名曲Summertime【厳選10曲】
私はかつて渋谷にあるJAZZ Clubで支配人をしていました。
今日は、Jazzのスタンダードになった『Summertime』のオススメカバーをお届けします。
Jazzのスタンダード『Summertime』とは
偉大なる20世紀の作曲家、ジョージ・ガーシュインがミュージカル『Pogey&Bess』の挿入歌として作曲
多くのミュージシャンにカバーされて超有名に。
たんなる夏の日の子守歌です。
黒人奴隷の女性が、白人の子供に自分の乳を与えながら歌うこの歌は
※超意訳『今日も今日とて、当たり前の夏だよ~、お父さんはお金持ちでお母さんは美人。
貴方が大人になるまで安心してね』的な、本当にブルース独特のなんでもない日常なんです。
でもシチュエーションがちょっと泣けますよね。
黒人奴隷だった方々の愛情を感じますよね、売られて仕事させられているはずなのに。
自分の産んでいない子供に、愛情を与えて。
だからこそ非常に胸に刺さる。何でもない普通の夏が刺さる1曲です。
サマータイム(『ポーギーとベス』より) ミシェル・ディロン/NSOアンサンブル/クレイグ・バルナ
女性Vocal編 5曲
ミュージカルが原曲のこの曲。
まずは女性ボーカルからご紹介します。
現代の歌姫ノラ・ジョーンズ
ジャズ名門レーベルからデビューしている、ノラ・ジョーンズ
彼女のカントリーも良いんですね。売り出すときに、全世界を市場にするためにJazzで売り出しましたが、カントリー・ブルース、フォークもすごくいいです。
ヨガをするようになって、インドシタール奏者のお父様、ラヴィ・シャンカルの音楽にもお世話になっています。
ライヴ・アット・ロニー・スコッツ [Blu-ray] ノラ・ジョーンズ (出演, アーティスト) 形式: Blu-ray
史上最高ジャズのファーストレディー エラ・フィッツジェラルド
Ella Fitzgerald – Summertime (1968)
私が一番初めて好きになったジャズシンガーです。
驚くほど歌が上手い。うますぎてジャズ好きの玄人受けしないシンガー
技術と感情を行ったり来たりできる、達人です。
彼女と一緒にスタンダードを歌うと、歌が上手くなった気にさせてくれるのでいつもスタンダードは彼女を聞きながら歌っていました。
玄人うけ 悲劇のシンガー ビリー・ホリディ
ジャズボーカル史上トップ3にエラ・フィッツジェラルドと、サラ・ヴォーンと共に残るビリー・ホリディ
ドラッグとアルコールにおかされた声から絞り出される技法が、何とも感情に訴えられます。
Summertimeは彼女の歌の方がグッと感情に迫りくるので好きです。
日本人ジャズボーカリストといえば、阿川泰子
はじめてSummertimeを聞いたのは、TVCMで流れた彼女の曲だったと記憶しています。
歌詞もジャズも知らない年齢でしたが、美しい曲であることはわかりました。
彼女がメディアに出ることで、さらにジャズが日本に一般化されたので敬意を表します。
JAZZの名演奏から 3曲
ここでは新旧合わせた名演奏をご紹介します。
上原ひろみwithチック・コリア
日本を代表するピアニスト、いまやワールドワイドな活躍ですが実は渋谷の私のいたライブハウスでデビュー前のお披露目ライブをしています。
今でも誇りに思いながら、当時のドタバタを思い出して冷や汗が止まりません。
動画は、彼女をスターダムに挙げてくれた恩人のチック・コリアとの再共演です。
これぞ、Jazzの楽しみ、スリリングなセッションです。
解る、わからない、正解、不正解・・・
日本人の悪い癖です。
楽しんで感じてください。
Duet チック・コリア 上原ひろみ チック・コリア&上原ひろみ 形式: CD
ソプラノサックスが躍るジョン・コルトレーン
これは名盤『My Favorite Things』のアルバムに入っています。
ジョン・コルトレーンの一番油の乗っている時期、そしてソプラノサックスに取りつかれている時期です。
新しい楽器を手に入れて、楽しくてしょうがない、情熱的な1曲です。
子守歌には向かないけど、そんな1曲も好きです。
熱帯夜に聞きたくなるんですよね、なぜでしょうかね。
モダンジャズピアニストの巨匠、ビル・エバンス
好きなピアニストは数知れず。
今回はビル・エバンスをお贈りします。
高度な技術からなされる、クラシカルなJazzとでもいうのでしょうか。
動画はロンドンでの演奏。Jazzは不思議な音楽で、アメリカで生まれたにも関わらず、ヨーロッパで芸術として高く評価され、花開いていった歴史があります。
BBCに「Jazz625」という貴重な映像満載の素晴らしい番組がありますので是非、ご覧になってください。
名カバーアーティスト 3曲
Jazz以外男ジャンルでもも幅広くカバーされています。
有名すぎるカバー ジャニス・ジョプリン
Janis Joplin “Summertime” (Live -1969)
ドラッグで若くして亡くなった、60年代を代表するロックシンガージャニス・ジョプリン
ヘロインの大量摂取で27歳という若さで亡くなっている。
ロックもサイケも知らない私も、ロック好きのおじさまに教えて頂いてこの迫力に圧倒されたものです。
でも、この曲は昼下がりに聞きたくなる、不思議な声です。
クラシック界もカバー バイオリンの音色がさらに泣ける
Summertime’…..Anne Akiko Meyers and Reiko Uchida from ‘Seasons…Dreams’
アメリカで人気のファッションモデルもこなすヴァイオリニスト。
お母さまが日本人だとか。
バイオリンとハープとピアノのトリオでしっとり聞けます。
バイオリンの音色が、けだるい子守歌です。
原曲のイメージを忠実に再現しているのがグッときますね。
シンプルな音数の方が胸に刺さるのが解りやすい1曲です。
超番外編 ウィル・スミスがラッパーだった頃
DJ Jazzy Jeff & The Fresh Prince – Summertime
この曲を聴かないと夏は始まらない!といって過言ではない1曲
Kool&TheGangs『Summer madness』の大ネタ使いのサンプリングイントロから始まる大ヒット曲です。
夏が始まらない!といいつつ、このイントロ聞くと夏の終わりも感じさせられる切なさも。
今や、サッカー選手の本田圭佑とファンドを立ち上げた実業家として知られていますが、実はラッパーでこんなかわいい動画があるんです。
高校の同級生が、ウィル・スミスのスタンプ送ってきたから“The Fresh Prince”と返したら知らなかったので、今の人も知らないかもしれません。
売れないコメディアン→ミュージシャン→ハリウッドスターというアメリカンドリームのゴールデンサイクル。
ガーシュインとは全く関係ない曲だけどね。
Summertimeまとめ
Jazz好きな自分を今日は開放する日にしました。
夏ですから、皆さんもご自身を開放してください。
ちなみに、Jazzに興味あるけれども、どこから聞いていいかわからない方は是非、このリストを聴いて頂き、気に入ったアーティストがいたらそのアーティストを徹底して聴いてみてください。
皆さんの新しい出会いになれば嬉しいです
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